自然に恵まれた恵庭ならではの森林鉄道

更新日:2020年12月23日

最初の地図は、昭和28年国土地理院発行の1/25,000地形図で、次の地図は、最初の地図から現在の市役所周辺を中心に拡大したものです。昭和28年発行なので、旧国道36号は建設中だったので線しか引かれておらず、また昭和27年12月に完成して今の市役所の位置に移った当時の恵庭町役場もまだ記されていませんが、恵庭駅から盤尻に向かう道路(一部は現在の道道恵庭岳公園線)に沿って森林鉄道が記されているのがわかります。

この鉄道のルートは、恵庭駅前(今の駅西口のマンションが立ち並ぶ辺り)から恵庭小学校の南校舎側を通って漁川に向かい、現在の福住屋内運動広場辺りをすり抜け、漁川河川緑地のテニスコート付近から漁川を渡した橋をとおり、左に曲がりながら旧国道36号(現道道江別恵庭線)を斜めに横断し、小池内科外科クリニックの前辺りから現在の市道に沿ったルートで、盤尻まで線路が敷設されていました。

最初の写真は昭和28年頃のもので、木材を積んだ貨車が恵庭駅へ向かうため、当時の国道36号(現在の道道江別恵庭線)を横断する様子です。

下の写真は、上の写真の現在の様子(この辺だったであろうと思われます)で、手前側が有明町、奥の恵庭幼稚園側が大町です。

森林鉄道は、盤尻の山の中から伐採された木材を恵庭駅前まで運ぶために設けられた鉄道で、昭和6年からトラック輸送に代わる昭和30年まで使われていました。昭和2年に、王子製紙株式会社が盤尻に発電所を建設するための資材運搬用として敷設した軌道を恵庭営林署が買い取り、さらにその先を漁川上流部まで延長させたものであり、全長は29.7キロメートルに及びました。

山の急な斜面での搬出には、上記の写真に見られる「インクライン」と呼ばれる装置を使っていました。現在は、その姿を見ることはできませんが、郷土資料館ではこの模型が展示されていますので、ぜひご覧いただきたいと思います。