恵庭市学校教育基本方針

更新日:2021年04月14日

平成24年4月
恵庭市教育委員会

はじめに

今日、科学技術の進歩、高度情報化、国際化、少子高齢化など、社会は大きく変化しておりますが、どの時代においても、未来を切り拓いていく原動力となるのは、人であり知恵であります。

我が国の教育においては、平成18年、教育基本法が改正され、これまでの教育理念とともに教育の今日的な目標が規定されました。学校教育においては、「生きる力」を育む観点から学習指導要領が改訂され、小学校においては平成23年度から中学校においては平成24年度から新しい教育課程による教育活動が全面実施されるところであります。

おりしも、平成23年3月には、東日本大震災が発生しました。被災地域の復旧・復興ひいては我が国全体の今後の発展をめざすためには、次代を担う子どもや若者が希望を持ち、未来に向かって前進していくことのできる持続可能な社会の構築に向けた「未来への投資」が何よりも求められています。
恵庭市教育委員会では、このような社会の変化や本市の児童生徒数の推移、さらには学校教育が直面している様々な課題を踏まえ、これからの学校教育の将来展望を示すため、「恵庭市学校教育基本方針」を策定することとしました。

 この学校教育基本方針は、恵庭市第4期総合計画を受け、恵庭市の教育理念とめざす子ども像を学校教育ビジョンとし、その実現に向けた施策を学校教育環境整備方針及び教育推進プログラムとして設定し、それらを包括するものとして策定しました。

この基本方針の策定にあたっては、「恵庭市学校教育あり方検討会議」の委員の皆様をはじめ、市民、関係機関や団体の皆様から貴重なご意見やご提言を頂いたことに心から感謝申し上げます。

今後の学校教育基本方針の理念である「ふるさとに生き 夢と志をいだき 心豊かに たくましく伸びる子どもの育成」に向け、市議会はじめ関係機関、市民の皆様のご理解とご支援をお願いするものです。

平成24年4月
   恵庭市教育委員会教育長 穂積邦彦

目次

はじめに…1
目次…2

恵庭市学校教育基本方針

一 目的…4
二 構成…4

  • 恵庭市学校教育基本方針体系図…5

三 設定期間…6
四 児童生徒数の推計…6

第1編 学校教育ビジョン

一 目的…7
二 構成…7
三 教育理念…8
四 めざす子ども像…9

  1. 「ふるさとに学び、ふるさとに生きる子ども」…9
  2. 「夢と志をいだき、自ら進んで学ぶ子ども」…9
  3. 「優しい心を持ち、共に生きる子ども」…9
  4. 「たくましい心と体で、生き生きと活動する子ども」…10
  • 学校教育ビジョン体系図…11

五 家庭・学校・地域の役割と連携…12

 

第2編 学校教育環境整備方針

一 学校適正配置…13

  1. 小中学校の適正規模…13
  2. 小中学校の適正配置…14

二 特認校制度…15

  1. 特認校の設置…15

三 小中学校における一貫した教育…16

  1. 小学校と中学校の連携・接続…16
  2. 教育課程の編成…16
  3. 教師や児童生徒間の交流…16

四 特別支援教育…17

  1. 特別支援学級に在籍する子どもへの支援…17
  2. 通常の学級に在籍する特別な教育支援を必要とする子どもへの支援…17
  3. 特別支援学校へ就学する子どもへの支援…17
  4. 専門的組織や機関との連携…17

五 学校選択制…18

  1. 学校選択制…18

六 学校施設整備…19

  1. 学校施設整備の進め方…19
  2. 学校施設整備の考え方…19
  3. 学校施設整備にあたっての配慮事項…19

 

第3編 教育推進プログラム

一 目的…21
二 構成…21
三 教育推進プログラム…22

  • 目標1 ふるさとのよさを知り、ふるさとから学び、ふるさとに生きる子どもの育成…22
  • 目標2 未来に向け夢や目標を大きく持ち、進んで学び、自ら道を切り拓く子どもの育成…23
  • 目標3 自立と共生の理念にも基づく、豊かな人間や社会性を持った子どもの育成…25
  • 目標4 たくましく、健康な心身をもち、生き生きと活動する子どもの育成…26

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恵庭市学校教育基本方針

1.目的

今日、社会情勢や時代の潮流、学校教育の制度改正、恵庭市の児童生徒数の推移や学校教育が直面している様々な課題がある中、恵庭市学校教育あり方検討会議による答申を踏まえ、今後の学校教育の進むべき方向性を明らかにする指針として「恵庭市学校教育基本方針」を策定しました。

2.構成

「恵庭市学校教育基本方針」は、「学校教育ビジョン」及び「学校教育環境整備方針」、「教育推進プログラム」で構成しています。

  1. 「学校教育ビジョン」
    子どもたちの健全な成長と発達を支えるために、15~20年先を見据えた恵庭市の教育理念とめざす子ども像を示しています。
  2. 「学校教育環境整備方針」
    教育理念の実現に向けた学校教育環境整備についての方向性を個別課題ごとに示しています。
  3. 「教育推進プログラム」
    教育理念に基づき、めざす子ども像の実現に向けた四つの視点についての主要な教育推進プログラムを示しています。
(イラスト)恵庭市学校教育基本方針フロー

3.設定期間

設定期間は、次のとおりです。

1.「学校教育ビジョン」は子どもの健全な成長を図るため、15~20年先を目安に設定します。

2.「学校教育環境整備方針」は、今後の推移を見据えながら個別課題ごとに設定します。

3.「教育推進プログラム」は、総合計画基本計画に準じ、5年を計画期間とし、年度ごとに評価・改善を行い推進します。

(イラスト)設定期間図

4.児童生徒数の推計

児童生徒数の将来推計は、次のとおりで、今後20年間、児童生徒数は、小中学校とも漸減傾向が予測されます。 

年度別人数
年度 23年 27年 32年 37年 42年
小学校 3,961 3,753 3,503 3,424 3,220
中学校 2,135 1,993 1,857 1,752 1,694

平成22年度恵庭市児童生徒数の推計結果に基づく

第1編 学校教育ビジョン

1.目的

学校教育ビジョンは、子どもたちの健全な成長と発達を願い、恵庭市の学校教育を進める上での基盤とするものであり、15~20年先を見据えて、恵庭市の教育理念及びめざす子ども像として示すものです。

2.構成

「教育理念」及び教育理念に基づく「めざす子ども像」、学校教育ビジョンを実現するための「家庭・学校・地域の役割と連携」で構成しています。

(イラスト)教育ビジョン図

3.教育理念

今日の少子高齢化、高度情報化、国際化や価値観の多様化する社会にあって、自ら課題を見出し解決する力や他者、社会、自然等と共に生きる力、そして生涯にわたって学び続ける力を子どもたちに育成することが求められています。

また、ふるさとで育ち、ふるさとで学び、ふるさとに誇りと自信をもち、ふるさとを拠りどころとし、北海道の大地で未来に向かい恵庭市をはじめ国内外の様々な場面で活躍する子どもの育成が求められています。

恵庭市教育委員会では、これからの恵庭市における学校教育の推進をめざし、「ふるさと」である恵庭をはじめ北海道や我が国を愛する心を基盤とした「知育」「徳育」「体育」を学校教育の中核とし、教育の基本理念を次のとおり定めました。

ふるさとに生き 夢と志をいだき 心豊かに たくましく伸びる 子どもの育成

4.めざす子ども像

教育理念を構成する要素(ふるさと、知育、徳育、体育)から、これからのふるさとを担う人材の育成について、めざす子ども像及び子ども像を実現する上での課題と目標として次の様に設定します。

1.ふるさとに学び、ふるさとに生きる子供

課題

子どもたちは、ふるさとで生まれ、育ち、学びます。ふるさとを生涯にわたって心の拠りどころとし、よりよい社会の実現をめざす人材の育成が学校に求められています。

目標

ふるさとのよさを知り、ふるさとから学び、ふるさとに生きる子どもの育成をめざします。

2.夢と志をいだき、自ら進んで学ぶ子供

課題

知識基盤社会の時代において、自ら課題を見つけ、自ら学び、よりよく問題を解決する資質や能力等の「学ぶ力」の育成を図っていくことが学校教育に求められています。

目標

未来に向け夢や目標を大きく持ち、進んで学び、自らの道を切り拓く子どもの育成をめざします。

3.優しい心を持ち、共に生きる子ども

課題

いじめ・不登校等や体験不足など、子どもをとりまく環境は大きく変化してきています。これからの社会では、調和のとれた豊かな人間性や社会性の育成が学校教育に求められています。

目標

 自立と共生の理念に基づく、豊かな人間性や社会性を持った子どもの育成をめざします。

4.たくましい心と体で、生き生きと活動する子ども

課題

子どもたちの体力や運動能力の低下が指摘されるなど健康に関する様々な課題が生まれてきています。心身の健康に関心を持ち、進んで体力や健康の増進を図る子どもを育成することが、学校教育に求められています。

目標

たくましく、健康な心身を持ち、生き生きと活動する子どもの育成をめざします。

(イラスト)学校教育ビジョン図

5.家庭・学校・地域の役割と連携

「めざす子ども像」の実現に向けて、子どもたちの健全な成長と発達には、学校とともに、子どもたちの生活の基盤となる家庭や地域の果たす役割が重要です。家庭・学校・地域はそれぞれの役割を発揮するとともに、緊密な連携を図りながら実践していきます。


家庭の役割

  • 子どもの心身の健全な成長を図ること。
  • 「早寝・早起き・朝ごはん」等、基本的な生活習慣を身に付けさせること。
  • 善悪の判断や礼儀・挨拶等、人とのかかわりの基本を身に付けさせること。
  • 自分自身で主体的に生きていこうとする態度を育てること。
  • 両親や祖父母、兄弟姉妹など家族の愛情や家庭の温かさを味わわせること。
  • 学校行事やPTA・地域活動に積極的に参加したり協力すること。

学校の役割 

  • 基礎的基本的な学力や自ら学ぼうとする力を育成すること。
  • 自らを律し、他を思いやる心や感動する心など豊かな心を育成すること。
  • たくましく生きるための健康や体力を育成すること。
  • 地域に開かれ、地域に根ざした教育活動を推進すること。
  • 信頼される学校づくりに努めること。
  • マネジメントサイクルを生かした学校経営の改善に努めること。

地域の役割

  • ふるさとのよさを味わう体験活動や地域活動を推進すること。
  • 子どもが参加できる地域活動を推進すること。
  • 子どもに地域社会のルールやマナーを身につけさせること。
  • 子どもにとって安心安全なまちづくりを推進すること。
  • 学校教育やPTA活動を支援すること。
  • 青少年の健全育成に努めること。

第2編 学校教育環境整備方針

学校教育ビジョンの実現に向け、学校適正配置など学校教育環境の整備について、個別課題ごとに、その方針を次のように定めました。

1.学校適正配置

1.小中学校の適正規模

 学校の教育活動については、教育課程や指導体制が主として学年単位

に編制実施されていることなどから、恵庭市における学校の適正規模に

ついては、学年における学級数を基本とします。

恵庭市における学校の適正規模
小学校 おおむね1学年 2~4 学級とします
中学校 おおむね1学年 2~6 学級とします。
適正規模を上回る場合、下回る場合
適正規模を上回る場合  校舎の増改築、通学区域の変更等により、適切な教育環境の整備に努めます。
適正規模を下回る場合 統合や通学区域の変更等により、適切な教育環境の整備に努めます。

(注意)なお、学校が適正規模に適合しない場合は、機械的に対応することなく、学校の教育環境の特色やメリットを生かした教育が推進されるよう配慮します。

2.小中学校の適正配置

現在、恵庭市における小中学校はそれぞれ、学校の歴史や地域性、保護者のニーズ、まちづくり計画との関係の中で適正に配置されていますので、今後もこの配置を継続します。

2.特認校制度

1.特認校の設置

松恵小学校は、自然環境に恵まれ、豊かな人間性を育み、心身の健康増進を図り、体力づくりをめざすとともに、少人数の特性を生かした学級編制を行うなどの教育活動に成果があること、また、保護者の関心や就学希望が高まっていること、更には、松恵地区における学校存続の趣旨も踏まえ、引き続き特認校として認定することとします。

4.特別支援教育

1.特別支援学級に在籍する子どもへの支援

  1. 障がいのある子どもも健常な子どもも地域の子どもは地域で育てるなどのノーマライゼーションの理念に基づき、特別支援学級をすべての小中学校に開設するよう取り進めます。
  2. 特別支援学級における教育の推進に当たっては、特別支援学級補助員の確保を継続するとともに、教材教具等の教育環境の整備に努めます。

2.通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする子どもへの支援

  1. 学習や学校生活の支援体制を充実させるため、特別支援教育学校補助員の確保を継続して進めます。
  2. 学習障害・注意欠陥多動性障害など発達障がいのある子どもへの教育支援のため、子どもの実態や保護者のニーズを的確に把握し、通級指導教室の開設など、支援の方策について検討します。
  3. 言語障がいのある子どもへの教育的支援のため、「ことばの教室」の開設や訪問指導等を継続して進めます。

3.特別支援学校へ就学する子どもへの支援

  1. 特別支援学校へ就学する子どもへの通学手段の確保など、支援を進めます。

4.専門的組織や機関との連携

  1. 特別支援教育推進サポートチーム、就学指導委員会、特別支援教育コーディネーター連絡会等と連携を図り、障がいのある子どもの特性や困難に応じた就学や支援を推進します。

5.学校選択制

 1.学校選択制

学校選択制については、次の視点から現時点においては導入しないこととします。

  1. 地域の子どもは地域で育てる。
  2. 地域に根ざした学校づくりを推進する。
  3. 児童生徒推計値等を参考に計画的な学校運営を推進する。

6.学校施設整備

1.学校施設整備の進め方

  1. 学校施設整備は、学校適正配置の考え方を踏まえたものとし、第4期総合計画の後期基本計画との整合性を図りながら、計画的に進めます。

なお、第4期総合計画の期間を超える施設整備については、次期総合計画の中に位置付けて、実施していきます。

2.学校施設整備の考え方

  1. 大規模改修
    多くの学校施設が建設より40年以上を経過しており、各学校の経過年数及び改修履歴、老朽化や機能低下の現状を勘案し、計画的に整備を進めます。
  2. 改築
    耐用年数が60年を経過する施設は、改修履歴や老朽化の現状及び今後の改修コスト、地域の児童生徒数の推移等を勘案し、改築の必要性について検討を行ないます。
  3. 新築・増築
    児童生徒数の増加に伴い、良好な教育環境の整備を図る必要が生じた場合は、様々な観点から新築・増築について検討を行います。
  4. その他の教育環境整備
    トイレ改修及び屋根改修など緊急を要する教育環境整備については、別途、計画的に実施します。

3.学校施設整備にあたっての配慮事項

  1. 多様な教育活動に対応できるよう、レイアウトフリーな空間づくりに努めます。
  2. 特別支援教育の推進に資するよう努めます。
  3. 環境に配慮した自然エネルギーの活用に努めます。
  4. ユニバーサルデザインの視点を取り入れるよう努めます。
  5. 災害時における地域の収容避難所として、防災機能の充実に努めます。
  6. 地域のニーズにも可能な限り対応できる施設づくりに努めます。

第3編 教育推進プログラム

1.目的

 「教育推進プログラム」は、「学校教育ビジョン」の実現に向け、平成24年度から平成27年度までに実施する主要施策です。

その主な事業とその工程表は別途策定することとし、実施にあたっては年度ごとに評価を行い、改善していきます。

2.構成

 教育推進プログラムは、「学校教育ビジョン」で示されためざす子ども像の実現に向けた「目標」を受け、「主要施策」「施策の方向」「主な事業」で構成しています。

(イラスト)構成図

3.教育推進プログラム

目標1 ふるさとのよさを知り、ふるさとから学び、ふるさとに生きる子どもの育成

(イラスト)ふるさとの理念を生かした特色ある学校づくりの推進図
(イラスト)ふるさとのよさを知り、ふるさとから学ぶ教育環境の充実図
(イラスト)ふるさとに生きる子どもの育成をめざした地域づくり図

目標2 未来に向け夢や目標を大きく持ち、進んで学び、自らの道を切り拓く子どもの育成

(イラスト)学ぶ意欲を高め、確かな学力の向上を図る教育活動の推進図
(イラスト)教師の資質能力の向上と地域・保護者による学校教育への支援図
(イラスト)これからの社会を担い、新しい時代を築く力の育成図

目標3 自立と共生の理念に基づく、豊かな人間性や社会性を持った子どもの育成

(イラスト)いじめや生活の実態把握といじめ根絶運動図
(イラスト)豊かな心を育む教育の推進図
(イラスト)豊かな心を育む教育の推進図

目標4 たくましく、健康な心身をもち、生き生きと活動する子どもの育成

(イラスト)体力・運動能力の向上と運動習慣の確立図
(イラスト)自らの健康を保持・増進する健康教育の推進図
(イラスト)安全教育の充実と安全安心な地域づくりの推進図

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