西島松5遺跡出土品の重要文化財指定について
令和6年8月に指定された重要文化財は、墓跡の坑底面などから出土した武器、農工具などの金属製品155点、袋状ピットなどから出土した甕形土器、片口・注口土器など土器62点、および琥珀玉1点と附とした礫7点にて構成されます。
代表的な重要文化財
金属製品155点のうち150点は鉄製品で、残り5点は錫耳環です。鉄製品は大刀2点、蕨手刀2点、横刀23点、刀子64点、鉄鏃22点、鉄斧12点、鉄鎌6点、鑷子3点、鉄針5点、鉄釣針5点、鉄銛残欠1点、環状鉄製品2点、不明鉄製品3点があり、武器や農工具、漁労具など多種多様です。刀剣類の点数が27点と非常に多く、また鞘や柄に黒漆塗りされた有機質が良好に遺存する資料が多い点も特徴的です。96号土坑墓出土の大刀は金銅製鐶付足金具と銀装鉄製柄縁金具が遺存する装飾付大刀で、畿内地域で7世紀に製作されたと考えられています。また方頭横刀(11号・30号土坑墓出土)と蕨手刀(101号・112号土坑墓出土)は、東北地方北部の末期古墳出土品との共通性が指摘されています。
土器は甕形土器53点、鉢形土器残欠1点、片口・注口土器7点、土師器坏1点があります。袋状ピット内から出土した土器が多く、土坑墓覆土や底面直上出土がそれに次ぎます。袋状ピット内の甕形土器は器高が20cm以下のものが多く、土坑墓覆土や底面直上出土の甕形土器と比較して明らかに小さいです。また袋状ピット内の土器は口縁部や体部上半などを意図的に打ち欠いており、口縁部が輪花状(125号土坑墓出土など)を呈するものもあります。土器は煮炊きした痕跡が残るもの多く、中には口縁部を打ち欠いた部分に黒色物質が付着する例もあります。125号土坑墓の甕形土器の別置2点は口縁部の打ち欠いた部分に接合します。143号土坑墓出土の甕形土器は中空の高台部に丸い粘土玉を入れて蓋をし、土鈴として使用された可能性があります。これも別置の円形粘土板は高台部の内側で接合します。
附の礫7点は縄文時代のすり石やたたき石を転用したと考えられるものが多いです。
以上のとおり、西島松5遺跡の重要文化財は遺存状態が良好な金属製品や土器が多くあり、恵庭市と東北地方北部や畿内地域との交流や各地域の文化的及び政治的関係を考える上で非常に重要です。
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更新日:2026年05月29日