行政不服審査法に基づく不服申立てについて
「行政不服審査法」が52年ぶりに全部改正され、平成28年4月1日に施行されました。
この改正により、公正性の向上、利便性の向上が図られ、市民がより使いやすい制度となりました。
行政不服審査制度とは
行政庁(国、道、市など)の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、市民が簡易迅速かつ公正な手続のもとで広く行政庁に対する不服申立てをする(審査請求をする)ことができる制度です。
この制度は、市民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的としています。
主な見直し内容
公正性の向上
内容 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
審査請求を行う者(審査請求人)の権利 | 関係書類の閲覧が可能 | 関係書類の謄写、口頭意見陳述における処分庁への質問が可能となったなど、権利が拡充 |
審査を行う者 | 規定なし(処分に関与する者が審査することもあり得る) | 処分に関与していない「審理員」が、審査請求人と処分庁の主張を公正に審査する旨を規定 |
第三者による点検 | 規定なし | 裁決について、有識者からなる第三者機関(行政不服審査会)が点検 |
利便性の向上
内容 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
審査請求の可能な期間 | 60日 | 3か月 |
不服申立ての手続の種類 | ・処分庁に上級行政庁がある場合は、審査請求を行う。 ・処分庁に上級行政庁がない場合は、異議申立てを行い、その上で審査請求を行うことになる。 |
審査請求に一元化 |
不服申立前置 | 不服申立てに対する裁決を経た後でなければ、出訴できない(訴訟を起こすことができない)法律が96ある。 | 68法律で廃止・縮小し、市民が裁判を受ける権利を確保 |
さらに詳しく知りたい方は、下記の総務省ホームページをご覧ください。
以下では、行政不服審査制度のうち、処分に対する審査請求を行う場合の流れを軸に、簡単に紹介します。
1.審査請求の対象となる事案
原則として、全ての行政庁による処分が対象となります。また、法令に基づく申請に対する不作為(法令に基づく申請に対して何の処分もしないこと)も審査請求の対象となります。
2.審査請求をすることができる期間
行政庁による処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行ってください。
ただし、処分の日の翌日から1年を経過した場合は審査請求をすることができなくなります。
(不作為についての審査請求は、不作為が解消されるまでの間、いつでも可能です。)
3.審査請求の手続の流れ(処分に対する審査請求の場合)
- 審査請求を行う場合は、行政庁に「審査請求書」を提出する必要があります(任意様式)。
審査請求書の内容
- 審査請求人の氏名及び住所(審査請求人の押印が必要になります。)
- 処分の内容
- 処分があったことを知った年月日
- 審査請求の趣旨及び理由
- 処分庁の教示の有無及びその内容
- 審査請求の年月日
- 審査請求を受けた行政庁(審査庁)は、当該審査請求を受け、審査庁の中か
「審理員」を指名します。 - 審理員は、審査請求人と処分庁の双方から主張を聞いたり証拠を提出してもらったりするなどして、公正に審査を行います。
- 上記の審査を経て、審理員は意見書を審査庁へ提出します。
- 審査庁は、審理員の意見書を参考に、第三者機関(行政不服審査会)へ諮問を行います。
- 行政不服審査会は、上記の諮問に対する答申を行います。
- この答申を受けた審査庁は、裁決(審査請求に対する決定)を行います。
(注意)裁決の内容は、以下のいずれかになります。
- 認容(処分の取消し、撤廃又は変更):審査請求が適法になされ、かつ、これに理由がある場合
- 棄却:審査請求は適法になされたが、本案審理の結果、審査請求に理由がない場合
- 却下:審査請求が期間経過後にされたものである場合など、不適法である場合
恵庭市における審査請求の手続の流れ(イメージ)

市長に対し、市民(審査請求人)から「審査請求書」が提出されると…
- 市長は、告示した次長職の中から処分に関与しない職員3名程度を「審理員」として指名します。
- 指名された審理員は、市民と、処分を行った部署の双方からの主張をもとに、公正に審査を行います。
- 審査を経て、審理員は意見書を市長へ提出します。
- 市長は、審理員の意見書を参考に、「恵庭市行政不服審査会」へ諮問を行い、その諮問に対して、恵庭市行政不服審査会は、答申を行います。
- 市長は、この答申に基づき、裁決を行います。
- 恵庭市では、この一連の手続の標準的な処理期間を6か月と設定しています。
- その他、具体的な手続方法等については総務部総務課法制担当までお問い合わせください。
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総務部 総務課
電話 :0123-33-3131(内線:2211・2212)
ファックス :0123-33-3137
更新日:2019年08月05日