【特集】子どもたちの豊かな学びと持続可能な地域づくりのために(広報えにわ2025年2月号掲載)

全国的に“人口減少”が深刻な社会問題となるなか、恵庭市は数少ない人口増加を続けるまちです。そのため、「子どもたちの声が消え、駅が閑散とし、店のシャッターが閉じられる……」といった風景は、今は想像しにくいと思います。しかし、人口減少の影響は、いつの日かこのまちにも訪れるかもしれません。
市では、活力ある魅力的なまちであり続けるため、子どもたちを中心に地域と学校が連携して未来をつくる「地域学校協働活動(コミスク活動)」を推進しています。子どもたちに夢と希望を届ける未来のまちについて、一緒に考えてみませんか?
コミスク活動とは?
コミスク(コミュニティ・スクール)とは、学校運営協議会を設置した学校のことで、平成16年に国によって制度化されました。この協議会では、保護者や地域住民、学校の先生などが集まり、「地域の子どもたちにどのように育ってほしいか」を話し合い、学校運営に地域の声を反映させています。
恵庭市内では、以前から「通学合宿」や「もちつき大会」、「放課後学習サポート」など、地域の皆さんが中心となって学校と協力した活動が行われてきました。現在も、恵庭市内のすべての小・中学校(全13校)に学校運営協議会を設置し、地域と学校が連携して子どもたちを育む環境の整備とコミスク活動を支援しています。

住民・保護者の皆さんへ
コミスク活動を推進していくためには、住民や保護者の皆さんからの支援が欠かせません。ここでは、市内で取り組まれている住民や保護者の皆さんと連携したコミスク活動の一部を紹介します。皆さんの力が、地域全体の活力となります。子どもたちが安心して学び、成長できる環境を一緒に築いていきましょう。
地域や保護者の皆さんと連携したコミスク活動を紹介!
放課後学習サポート(柏小学校)
コミスク委員を中心とした地域ボランティアにより、子どもたちの宿題や家庭学習などの学習支援を行っています。
みそづくり(島松小学校)

食育活動の一環として取り組んでおり、みそづくりやそば打ちの講師はコミスク委員を中心とした地域の皆さんが行っています。
恵み野大もちつき大会(恵み野小学校)

多世代の大人と子どもたちが、もちつきを通した交流を目的に年末に開催。参加者・支援者含め250人を超える住民が集い、交流を深めています。
地域の人の声【小川原紗津子さん(島松小コミスク委員)】
参加者みんなの笑顔がうれしい

手作りみその講師として、約40年活動しています。島松小では刺しゅう体験の支援者として長年関わってきました。あるとき、島松小の子どもたちに何かできないかと話し合い、「みそづくり」に挑戦することに。それ以来、年1回の活動を続け、今年度で15回目を迎えます。子どもたちは自分で作ったみそで調理したみそ汁を味わって「おいしい!」と喜んでいます。一緒に参加している保護者の皆さんもとても熱心で、続けてきてよかったと思いますね。今後も地域の皆さんと、手作りの楽しさやみその美味しさを伝えていきたいです。
保護者の声【水根亜沙花さん(恵み野小PTA副会長)】
コミスク活動は楽しい。だから続けられる

最初はいち保護者として、子どもの参加する「夏休み子ども教室」を見学していました。その後、「通学合宿」が恵み野憩の家で行われたとき、たまたま管理人を務めていたため、地域の皆さんと深く関わるようになり、気がつけば運営側に回っていました。職場が変わっても活動を続けており、子どもが卒業しても関わっていたいです。忙しい毎日ですが、地域の皆さんと一緒に活動することは楽しく、子どもたちや地域にも笑顔が広がっています。このように家庭、学校、地域がつながる場は貴重なので、ぜひ多くの人に参加してほしいですね。
恵み野小学校のコミスク活動が全国で表彰されます!
恵み野小学校のコミスク活動が、令和6年度「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」に係る文部科学大臣表彰を受けることが決定しました。この表彰は、活動内容が他の模範と認められる団体に贈られます。2月末には東京で表彰式が行われます。20年以上にわたって活動を続けてこられた関係者の皆さん、おめでとうございます!
企業・関係団体の皆さんへ
恵庭市のコミスクでは、地域全体で子どもたちの教育と成長を支える取り組みを行っています。この活動をさらに充実させるためには、大学などの学校や企業の皆さんの支援が欠かせません。職場見学やキャリア教育の機会提供、地域行事への参加など、皆さんの協力が子どもたちの未来を広げます。ともに地域の未来を築いていきましょう。
大学や企業の皆さんと連携したコミスク活動を紹介!
防災教室(柏陽中学校)

各学年で実施している防災教室は、コミスク委員を中心とした地域の皆さんや防災マスターのほか、北海道危機対策課など、関係行政機関の協力を得て実施しています。
ソクラテスミーティング(恵み野中学校)

中学3年生を対象としたキャリア教育の一環。講師はさまざまな分野で活躍する地元を中心とした人材で、コミスク委員を中心に企画・人集めを行っています。生徒たちは、関心のある分野や進路決定のプロセスなどを身近な人から学んでいます。
通学合宿(恵庭小学校)

コミスク委員や文教大学生、町内会、民生委員により実行委員会を設立。宿泊体験事業を実施しています。調理体験やもらい湯を通して地域と交流したり、異学年の子どもたちと班行動するなかで集団生活を体験したりするなど、多くの学びを得ています。
学校の声【吉川麻衣さん(恵み野中学校事務職員)】
保護者や学校関係者ではなくても。生徒と交流しませんか?
恵み野中学校では、1年生の街路樹の草取り、2年生の市内事業所での職業体験、3年生のソクラテスミーティングなど、それぞれの学習で市内企業や関係団体の皆さんにご協力をいただいています。生徒の様子を見ていると、地元社会人の皆さんとの交流からとても良い刺激を受けているなと感じます。「将来の就職先が見つかった!」と目を輝かせる生徒もいました(笑)。学校も生徒も、企業や団体を含めた地域の皆さんとのつながりを必要としています。ぜひ皆さんのお力をお借りしたいです。
大学生の声【藤岡達也さん(北海道文教大学子ども発達学科3年)】
一人じゃないからがんばれる。未来に生かす経験。
大学生活のかたわら、コミスク活動や子ども食堂、児童・生徒への学習支援など、市内外のさまざまな場所でボランティアをしています。高校生のころから活動を続けていますが、きっかけとなったのは、小学校4年生のときに参加したキャンプでした。地域の大人や、普段関わらない人たちと一緒になって、たくさんの経験ができるところに魅力を感じ、興味を持ちました。子どもたちに「将来先生になって戻ってきてほしい」と言われたことや、地域の人から「学生が来てくれてうれしい。毎年お願いしたい」と言ってもらえたことがうれしいですね。学校では学べないことを経験できるからこそ、学生に参加してみてほしいと思います。
コミスク活動を支援する市の4つの取り組み
01コミスクかふぇ
コミスク活動の取り組みを共有し、意見を交換する「コミスクかふぇ」を定期的に開催しています。それぞれの取り組みから学び合い、自分の地域に持ち帰って、「子どもたちのために何ができるか」、「学校と協働して何ができるか」など、学校づくりや地域づくりについて対話を重ねています。
02コミスクだより

コミスク活動の取り組みを皆さんに知ってもらうため、「コミスクだより」を発行しています。市ホームページで公開していますので、ぜひご覧ください。
03出前講座
市では、コミスク活動に関する出前講座を実施しています。町内会、PTA、学校での会議・研修など、どんな場面でも活用できますので、「もっとコミスク活動について知りたい!」「うちの学校区でもこんなことをしてみたい!」などがありましたら、問い合わせください。
04地域コーディネーターの配置
地域と学校をつなぐ市の施策として、令和6年度から「地域学校協働活動推進員(地域コーディネーター)」の配置を進めています。地域コーディネーターは各校1名で、学校に意向を確認し、協議のうえ配置しています。令和7年度からは地域コーディネーターの配置が増える予定です。皆さんも地域コーディネーターへの協力をよろしくお願いします。
地域コーディネーターの声【恵庭小学校地域コーディネーター 久保純一さん】
地域と学校をつなぐ活動に関心のある人、一緒に活動しませんか?
恵庭小学校とは、通学合宿支援を通じて長年関わってきました。現在は恵庭小コミスク委員であり、「恵小コミスク協力隊」の代表も務めています。今年度から地域コーディネーターを担当し、先生と何度も打ち合わせを重ね、学校の困りごとに対する支援も行ってきました。子どもたちの頑張る姿に触れた地域の大人たちが元気をもらっていましたね。また、活動を通じて地域住民同士のつながりも深まっていると感じています。活動に関心のある人ならどんな人でも構いません。ぜひご協力をお待ちしています。
子どもと育つ地域の未来に向けて
コミスク活動を通して、地域との交流が深まる中で、人と人とのつながりが生まれ、地域への思いが次の世代へとつながれていきます。この活動は、地域と学校の協働活動ですが、子どもたちのためだけの活動ではなく、地域の未来を共につくり上げる取り組みでもあります。
輝く地域の未来を築くためには、市民の皆さん一人一人の力が欠かせません。今、私たちができることを一緒に学び、考え、取り組んでいきませんか?

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電話 :0123-33-3131(内線:1711~1714)
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更新日:2025年01月31日